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私はお酒を飲む時はウイスキーのロックかストレートである。下戸なのでどんなお酒でもまともに味わう前に酔っ払って眠り込んでしまう中で比較的飲めて味も好きだと思えるのがウイスキーくらいで、ビールはお腹がいっぱいになって気持ち悪くなる、ワインは頭が痛くなる、日本酒は美味しいと感じるものを知らない、などという情けない消去法の結果ウイスキーに行き着き、飲めないなりにたまにちびちびと楽しんでいる。

ウイスキーも高級なものがたくさんあるようだが私は知らない。いつもジョニー・ウォーカーのブラックレーベルやバランタインの12年や、ジャック・ダニエル、フォアローゼズ、ワイルドターキーという誰でも知っているような大衆向けのブランドを買ってきて、100円ショップで購入した製氷皿で作れる丸くて大きな氷だけ用意して飲む。食べ物やチェイサーは無い。部屋の電灯を消してランタンを点け、ランタンの光を見ながら飲む。
手持ちのジョニー・ウォーカーもバランタインも切らしたので、今日はスーパーでブラックニッカ・クリアというのを初めて買ってみた。

飲んでみるとこれがたいへん美味しい。お酒に詳しい人からすれば味も素っ気も無いようなただ薄いだけのつまらない味なのかもしれないが、私が好むブラックレーベルやバランタインもたぶんそういう系統のウイスキーだと思う。すっきりしていて癖が無く飲みやすい。ついつい普段よりも口に含む量が増え、私にしては深酒をしてしまった。今は熟れた柘榴のような顔色をしてこのブログを書いている。

お酒の通と呼ばれる人は世に多い。また酒豪と呼ばれる人も多い。彼らに比べると私はつまらない酒飲みであるが、彼らへの憧憬もあるもののやはりこうして自分の美味しいと思うものを好きに飲める今の自分の状況というものが有り難い。お酒に限らず、下手でも誉められなくてもよいから好きなようにするということにはただ楽しいという他に代え難い価値がある。